中国の歴史小説って読むと凄く人間臭いですよね。
人間の本質は変わってないという事を教えてくれますからね。
三国志の登場人物で龐統(ほうとう)っていう人物がいるんですけど、こいつが物凄く優秀なんです。
優秀なんですけど、やっぱりそういう人物は癖があるんですよね。
自分の才能を発揮出来るところで働きたいということで相手の器量を見定めようとするんです。
で、わざと相手に無礼な態度をとってみたりするから、相手から怒りをかってしまったりしてしまいます。
龐統はそんな事で怒るようなら器が小さい奴だと判断して見切りをつけ出て行く。
そんな龐統なんですが、やっと出会えるんですね。この人の元なら自分の才能を発揮する事が出来るという人物に。
そこで働くようになった龐統なんですが、ついた仕事は、龐統みたいに優秀じゃなくてもいい誰でも出来る仕事につかされました。
なぜかというと雇った方は、龐統は凄く優秀だという事を聞かされていたから雇っただけで、雇い主は龐統を見た瞬間、こいつが龐統?ってなっちゃったんですよね。
服装はボロボロだし言うことは生意気だから内心は好きではなかったのですが、優秀だと聞いていたもんだから、とりあえず雇ってみたのでした。
誰でもいいような仕事につかされた龐統は、真面目に仕事をしません。
とにかくサボりまくります。仕事はどんどんたまり、苦情もたくさん出てきました。その苦情が雇い主まで届くようになりました。
雇い主は龐統をちょっと見てこいということで、部下を龐統の元に行かせます。
龐統は上司が来ても、気にせず相変わらずサボるんです。
頭にきた上司は、仕事をしないでいるこの状況はどうなっているんだと怒ります。
すると龐統は、こんな仕事は明日ちゃちゃっと片ずけてしまえますから、大丈夫ですよなんて事を言ってまだサボる始末です。
上司は怒って出来なかったら覚悟して置けと言い残し立ち去ります。
上司が次の日に仕事場に行って見ると、龐統は見事な仕事っぷりを見せて次々に仕事を片付けていきました。
上司はあまりの見事さに感心してしまいました。
丁度その頃、雇い主の所に龐統の知人が来て、龐統はどうしてますか?と尋ねました。
雇い主は誰でもいいような仕事に就かせている事をいうと、その知人はそれでは龐統はサボって酒ばかり飲んでいるでしょうと答えました。
人を使うなら、その人の適性を見て仕事をさせないとサボってしまうという事なんですね。
それを聞いた雇い主は慌てて龐統を副軍師に抜擢します。
それから龐統は自分の才能を発揮できると思ったのですが、龐統も人間です。
嫉妬心が邪魔をしてしまいました。
誰にかというと、軍師にです。
雇い主の絶対的な軍師への信頼に嫉妬してしまいます。
自分も手柄を立てて、認められたいと思い無理をしてしまい、命を落としてしまいました。
龐統は才能を発揮する前に散ってしまいました。
この物語から人を雇う時は適材適所で使わないと、仕事の効率が悪くなるし、本人もやる気がなくなるという事です。
そして嫉妬は身を滅ぼすということがわかります。
誰かに自分の才能を認めさせるための行動は、自分勝手な行動につながります。
上手く行けば許されますが、失敗した時は目も当てられません。
失敗する事が悪いわけではありません。
自分の事だけ考えた行動がいけないのです。
迷惑なだけですよね。
三国志は登場人物がたくさん出てくるので、いろんな人間模様を見る事が出来て面白いです。
そして昔も今も人間の本質は変わってないいんだという事がわかりますね。
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