「何している時が楽しいと思う?」「幸せを感じるときってどんな時に感じる?」なんてことを40代・Aさん(男性)から聞かれた。
Aさんは20代、30代のときのようなエネルギーに満ちた行動力がなくなってきて、そのことをを嘆いていたのだ。今その人には、奥さんもいて子供もいる。その今の自分と過去の自分を比べて、昔の自分が楽しかったことが今では、それほど熱が上がらなくなったことにさみしさを抱いているようだった。
Aさんは、昔は仕事が終わってからでも趣味に遊びに、活発に行動していたらしい。そんなAさんも結婚して、子供が出来て昔と環境が変わった。たまに遊びに行こうと思っても、奥さんに子供をまかせっきりだと悪い気がして、出かけるのをやめたりすることが多くなったと言っていた。
Aさんが僕に聞いた理由
Aさんがなぜ僕にこんな質問をしたこというと、Aさんから見た僕は、何を楽しんでいるのかが、わからないからだった。
それは僕とAさんのタイプが、かけ離れているからなのだ。僕は一人でご飯を食べに行ったり、街に出たりすることもある。
基本的に一人の行動が好きなのだ。それで休みの日には、本を読んだり、映画見たりして部屋で過ごして外に出ない日だってある。
そのことがAさんから見たら僕は、引きこもりの、何を楽しんでいるか分からない人間に写っていたのだ。だから僕が何に幸せを感じているのか、不思議に思ったのだ。
楽しいことや幸せに思うことは人それぞれだから、わからないのはあたりまえ
Aさんにとっての楽しみとは、家族や友人と出かけること。一人でご飯を食べに行ったり、ぶらっと一人で出かけるのは、好きではないらしく、その楽しみがわからないのだった。
そしてAさんの幸せ感とは、イケてる、見るからに楽しんでますという感じの人を幸せと思っているのだ。だから僕とは対極の人を、幸せなひとだと思っている。
だからもし僕が、イケイケの見るからに楽しんでますという趣味を持っていて、活動的な人間だったら、きっとAさんはこう言っただろう。
「ほんと人生楽しんでるよね、幸せそうでうらやましい。」なんてことをね。
でも僕を見たAさんは、心に空っ風が吹いている自分と僕とを勝手にダブらせて、勝手に共通点を見つけて、勝手に僕を不幸せな人間と思い込んでいる。(失礼だな)それで幸せだと思うことを聞いて何かヒントを得ようと思ったらしいのだ。
日常の中に幸せや楽しいがいっぱいある
僕の中では、何か特別な出来事がなくても幸せや、楽しいと思うことがあるのだ。毎日の中で当然だけど、嫌な思いをすることだってある。仕事でイライラしたり、馬鹿にされたような気がして、悔しかったりする時もある。
今回のことも、前の僕だったらこんな風に捉えていたんだ。
そんなに幸せに見えないのかな?楽しそうに見えないのかな?勝手に決めつけないでほしい
みたいな。
今はそんな風に受け止めなくなった。何故かっていうと、Aさんは僕のことを知らないから。表面的なところしか知らないから。そして、僕もいろんな自分がいるから。
だから今は、「そんな風に見えるんですね」って笑って話せるし、ほんとにそんな風にみえるのだから仕方ない。それも自分だからね。
一日の中で嫌なことはあるけれど、彼女と話している時は楽しいだとか、面白そうな本を買ったとか、些細なことを楽しむようにしている。今回のAさんとの会話も楽しめたんだ。
だから僕は言った。
「幸せに感じるときですか?彼女と会っている時も幸せですし、一人で出かけている時も楽しいですし、まあ特別何かしたからってのは、ないですね」
Aさんは言った。
「もっと楽しんだ方がいいよ」
やっぱり僕はわかりにくい人間のようだ。
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